みなさんこんにちは~!
編集部のともちんです!挨拶のレパートリーがこれしかないのが最近の悩みです(笑)
さてさて今回は、
『いだてん~東京オリムピック噺~』レポート、第3弾!
井上剛監督にお話を聞いてきました!
井上剛監督は、NHKの土曜ドラマ『64(ロクヨン)』や、大河ドラマ「利家とまつ~加賀百万石物語~」、連続テレビ小説『あまちゃん』などの演出を手掛けている、監督です!
前回の中村勘九郎さんに引き続き、監督のお話を聞くことできるなんて…!
ではでは早速、見てみましょう!↓
井上監督(以下・井上):こんにちはー!早速ですが、スタジオ見られたんですよね?いつも僕たち制作陣はそこにいて、カメラの位置が決まったら、更に細かい指示を出して、映像をとっています。照明さんや音声さんとみんなでつくり上げています。そこで撮れたものを、編集という作業をして、音楽をさらにつけて、放送していく。ドラマ制作に限らずですが、今日見られた、副調室は割とドラマの心臓部になっています。
-「画が大事なシーンと、お芝居が大事なシーン」
学生:沢山のカットをこれからも撮ると思うのですが、この画で行こうと決められる基準はどこですか?
井上:画が大事なシーンと、お芝居が大事なシーンとあるんですね。この画がないと成立しないという画の時と、この芝居をとりにいきたい、この息遣いとか、緊張感とか、間合いとか追求したい場合です。お芝居って一人でやるものじゃなくて、誰か一人のアクションが誰かに伝わる、化学反を起こしていく、その化学反応の瞬間を撮っていく面白さを優先するときと、画を撮るときと、みたいな感じですかね。
確かに、画が大事なシーンってありますよね!この俳優さんのこの角度の、この表情が大事…!っていうものとか(笑)
好きなシーンとかって画やお芝居に限らず、何回も見返しちゃったりしますよね!!
-「ドラマならではのリアリティですかね」
学生:先ほど番組についての質問を少し伺ったのですが、フィクションとしてのスポーツの難しさというのがあるとお伺いしました。フィクションドラマで、スポーツを描くうえで、大事なことや、気をつけていることがあれば教えてください。
井上:やっぱり、リアリティですかね。本物のスポーツ選手、アスリートまではいかないまで、ドラマならではのリアリティ、ほんとにこの人走ってるっぽい!泳いでるっぽい!と思ってもらえるようなものです。セリフほとんどないのに20分間人が走っているものを見てもらって感動させられる工夫とかを、随所2,3年かけて研究しているところです。ドラマならではのリアリティですかね。
ドラマのスポーツシーンとかってほんとのアスリートのような感動を与えてくれますよね!
私はすぐウルっときちゃうのでドラマとかでよく泣いちゃいます(笑)
-「とんでもないとこまでいっちゃったっていう人」
学生:今回の大河ドラマは宮藤官九郎さんが脚本ということで、あまちゃんでもご一緒されていたと伺いましたが、その際の経験が生かされたことはありますか?
井上:あまちゃんの経験ですか?なんだろうなあ…。(笑)
いくつもあると思うんですよね。あまちゃんもスーパーヒロインじゃなかったんです。決して人よりすごい秀でている子でもなく、どこにでもいるっちゃどこにでもいる。だけどその人しかもっていないようなものを引き出して撮影して放送していました。ちょっと似てるなあと思うのが、やはり皆さんもあまりなじみがないかと思うのですが、いだてんの主人公、金栗四三さんと、田畑政治さんという人。僕もこの企画を立ち上げる時に初めて知ったんですけど、その人を取材していくと僕達とすごい似ている、どこにでもいる人だなと思いつつ、何か一つにすごい集中しちゃって、とんでもないとこまで行っちゃったっていう人なんです。周りが応援したくなるような(笑)
井上:そのようなものを宮藤官九郎さんも描きたいんだろうし、僕達も応援したくなる、そういう人じゃないと僕達も長い期間寄り添って、撮影をしていけないようなところがあるので、その辺のキャラクターの選び方、などはあまちゃんの経験が生きているんじゃないかと思いますね。
『あまちゃん』本当に面白かったですよね!私も見てました~!
ドラマの主人公って応援したくなる気持ちすごいわかります(笑)そういう気持ちでキャスティングしてるのかー!
-「なんか面白いと思います(笑)いろいろ詰まってます(笑)」
学生:今回のドラマについては、描かれる時代の映像資料が残っているなど、よりリアリティを求められる作品になると思っているのですが、明治・大正・昭和と幅広い時代を、演出するうえで、ここに注目してほしい、ここをこだわったというのがあれば教えてください。
井上:実は4月から撮影を始めて、いるのですがなにより、海外が舞台のひとつとなる大河ということもあって、「日本がどうやって海外と向き合ったのか」をどう見せるのか、ということです。オリンピック選手というものを通して描いていますが、もちろん表現についての技術的な面でも、また内面の表現についても彼らが初めて見た海外、外国人がどういう風に見えたのか、そこをどう表現するのか、というところですかね。
井上:あとは、落語もおもしろいのです。若い人はなかなか知らないと思うんですけど面白い文化だなと思いますね。そういうのも随所に盛り込まれています。あとは、キャストがとても豪華です。次から次にどんどん出てきて、飽きさせない感じになっていると思いますね。いろいろ詰まってます(笑)
確かにキャストは魅力的!今発表されているだけでも超豪華!!
若手俳優さんから大御所俳優さんまで!たのしみだなあ!
-「ひとえに、若い人たちを信用しているからだと」
学生:いだてんという作品を通して、学生に伝えたいことや、感じてほしいメッセージなどはありますか?
井上:はじめてのオリンピックに出た金栗四三さんは学生だったんですよ。三島弥彦さんも学生なんですよ。“学生“が「初めてスポーツを手にした人たち」なんですよね。当時はスポーツという概念すらなかったので、走り方なんて誰も教えてくれない。テレビ見てくれたらわかるんですけど、金栗四三さんが走るとき、あんまり手振ってないです(笑)
井上:とにかく学生がイノベーションしてきたという気がします。あと、それを応援する嘉納治五郎さん(役所広司さん)。嘉納治五郎さんたちは若い人たちに希望を注いで、多大な応援をしていきます。尋常じゃない応援をするんです、見てみてくださいね(笑)大借金をして、オリンピックに参加するんですよ。そしてその後もずっと参加していく。それは、ひとえに、若い人たちを信用しているからだと、そう信じているからなんです。そういったところを感じてもらえたらいいなと思います。
-いかがだったでしょうか?
中村勘九郎さんに引き続き、監督にもお話を聞かせていただきました!
普段何気なく見ている、ドラマに込められた熱い思いがたくさん聞けて、いい刺激になりました。
私も人の心を動かせるウェブマガジンを書けるようになりたいです(なります!笑)
以上!『いだてん~東京オリムピック噺~』監督トークセッションレポートでした!