Daughters×AGESTOCK アジア新人賞部門にノミネート!今、大注目な津田肇監督にインタビュー!

Pocket

2020年9月18日に公開された、三吉彩花さん(堤小春役)と阿部純子さん(清川彩乃役)W主演の映画「Daughters」

その脚本・監督を務めた「ファッションイベント演出家・映像作家」である

田肇監督に、

WEB MAGAZINE AGESTOCKが学生目線でインタビューしました!

 

作品を振り返ってみて

――本作が初長編であるこの作品を振り返って感想をお聞かせください。

津田監督:去年撮影をして、脚本を最初に書いたのは6年前で、今年の2月に作品が完成をしました。
そこからコロナウイルスが流行してしまい少し直したいところもあって、コロナ明けに色などを少し直しました。

コロナがあったからなのか、自分が作ったのか不思議なくらいの感覚ですね。
何回も脚本から書いてますし、観てて次のセリフもわかるため、冷静な判断ができないというのもありますが、この作品が面白いのかわからないです。だからみんなからの感想を見て一喜一憂しているって感じです。

――脚本は、元々前から作っていたものなんですか?

津田監督:脚本を1回目に書き終えたの2014年で、それをどう映画化にできるかをそれから3、4年かけて枠組み作りみたいなものをしていました。その間に自分の価値観も変化するため、自分自身も成長して、ちょこちょこ直したりはしました。

――この作品を制作する上で表現に苦労したところ、こだわりぬいたところを教えてください。

津田監督:難しいですね。こだわったところはやっぱり自分の好きなものをどこまで形にするかです。

これは、ウェブマガジンも含めてすべてのクリエイティブに言えるだと思うのですが、自分の好きなものを作る上で、衣装、音楽、映像の美しさ、細かいところまで自分のいいと思うものにどこまで近づけるかだと思います。そこは、苦労したよりか楽しかったです。

苦労は、どこまでこの作品をわかりやすくポップにするのかという線引きです。
例えば、彩乃が出産するっていうシーンを入れたほうが泣かせられるといったことも、もちろんありましたが、なるべく、どこまで説明せずに僕のやりたいことを伝えられるか
逆にここまで説明しちゃうとダサいが、ここがなかったら伝わらないんじゃないかとか。そこのところに1番悩みましたし、そこは今でも正解だったのかわかりません。

 

――先ほどもあったように、アジア新人賞部門にノミネートされたということで、今後の目標はありますか?

津田監督:初めて聞かれました。
撮影前からスタッフにも言っていましたが、初監督で、この作品が正直何も評価されずヒットせずにダメだったら、もう素直に映画は向いてなかったと諦めて、イベントの世界に腹くくって戻ろうと思っていました。
そんな中、嬉しいことに撮影中スタッフたちも楽しんでくれました。

ここで終わるのはもったいないから絶対次も作ったほうがいいっていうのはスタッフさんにも言われていて、一応こうやって賞もいただいて、次も作ってもいい人間なのかなと思っています。
あとイベントに戻るといっても、コロナでイベントの世界に戻れなくなっているので、腹をくくって映像のほうでやらなきゃいけないんじゃないかなというのは、びっくりするくらいいいタイミングだったんじゃないかなと。
自分の運命みたいなものを不思議だなと最近、思ったりしています。だから、撮らせてもらえるのであれば死ぬまでに10本撮りたいです。

――今後どういう映画を作っていきたいなというものはありますか?

津田監督:10本あったらこういうのがいいなっていう構想はありますが、それも今後変化すると思います。

でも、自分が観たいと思えるものと、世界中の人が観たいと思えるものの着地点を探すのが1番大事かなと、作ってみたあとに思っています。
だから、自分のやりたいものと世界中の人が観たいと思えるもの、そこをどう突いていけるかを目指していきたいです。

――うまくそのふたつが合うような作品を?

津田監督そうそう。自分が作りたくないものはやっぱり作りたくないですし、でもやっぱり映画ないし配信されるすべての映像作品に言えることだと思いますが、芸術と言ってもビジネスであり、いくら日本の国民の芸術的な民度が低いって言われてるのか、わからないですけど、それなりにヒットさせないとビジネスとして成立しないので、そこを狙っていくのが今後、難しいと思います。

――今回のメインキャストである三吉さんと阿部さんをキャスティングした理由を教えてください。

津田監督:三吉さんは、ガールズアワードで少しお話させてもらった時やあとはファッションブランドのイベントの演出をしているときに三吉さんがセレブリティとしていらっしゃった時、三吉さんの本人からでる感じとか、受け答えとか、そういうのを見たときにこの人が小春にぴったりなんじゃないかなと感じていまして、この実際に作れるっていうタイミングで是非と思い、三吉さんにまずアタックしたというのが1つです。

それで、三吉さんが決まったあと、キャスティング会議で隣にいる彩乃を誰にするかという話の時に、皆さんが知っている女優の名前が挙がったのですが、どうもしっくりはきませんでした。そこで最近、僕日本映画を観てなくて、観てから会議してもいいですかと言って、そこから10日間くらいかけて15本くらい観たに阿部さんが出演していて、非常に面白い女優さんだなと思ってキャスティングさせてもらった感じです。

映像制作について

――ファッションイベントの演出の経験もおありということですが、その経験が映像制作における強みとして現れてくるのは何だと思いますか?

津田監督:強みかどうかはわからないのですが、
癖みたいなものがこの『Daughters』にも出てる
のではないでしょうか。
どちらかというと、イベント、ガールズアワードはもうちょっと総合的なエンターテインメントですが、僕のやってるレセプションパーティーってほぼ空間演出がすべてなので、ストーリーより入った空間、ディスプレイ、ケータリングがかわいいといった美術や色といった目から入る情報が圧倒的ですよね。だから、それにずっと長く自分の身を置いてたため、ず目で見てかわいいかというジャッジメントに関しては敏感かもしれないです。それが映画の中のインテリア、衣装だったりに反映されてるかなと思います。

――映像表現はどのようなものからアイデアを得ていますか?

津田監督ずっと映画が好きだったので、それこそファッションイベントの空間演出とかも映画からアイデアを貰っています。あとは最近Pinterestを見てます。めちゃくちゃ便利です。
ずっと前からイベントのアイデア集や映画のアイデア集、お花のディスプレイといったものをいくつか自分の中でボードを作って、写真を貼ったりしています。
昔は、アイデアを集めるのは、蔦屋書店とかで分厚いファッションブックやフォトブックとかを購入して、アイデアを収集したと思いますが、今はもうPinterestみればアイデアがあふれてたりするので、本当に便利でいいと思います。

――芸術系や映像・舞台の演出をしたいと思っている学生がやっておいたほうがいいことなどはありますか?

津田監督これは大事な質問ですね。
沢山色々なものをみて、勉強したほうがいいですね。
これは、僕自身も今回初監督をするにあたって、映画とか舞台、映画史、それからデザインとかは、ある程度勉強しておいたほうががいいと実感しました。
今回も2人で話しているシーンは楽ですが、これが3人になると一気にどこにカメラを置いたらいいかわからなくなります。それって過去にあの映画は、ああやってたなや少し映画の本などを読んだらそういう時はこうすればいいんだよといった、しっかりと図解で細かく説明してくれてる本もあるため、助かりました。

あとは画面に対して人をどのくらいのサイズ感で置くかで、観客にそういう印象を与えるかをちゃんと書いた本がある。そういうのは結局、観て勉強する以外にないかもしれないです。

――ファッションイベントの場合だと…?

津田監督:ファッションイベントも、僕はイベントにするときも、大体どこかから、いろんなアイデアを持ってきて組み合わせてます。

例えば、Pinterestからあのディスプレイがかわいいから、じゃあここからちょっとアイデアを借用させてもらって形変えようやあの映画のセットは可愛いかったからそれを模したものにしようとか。
そういう、0から、完全オリジナルで何か作るのは、今はもう無理で、かつて自分が見たものの中からインスパイアされてやってることのほうが多いと思います。寝てる間も夢を記録して、それを脚本にしたっていうのもありますから、寝てる時間も無駄じゃないかもしれません。

色々なところにアンテナを張ってみることがいいんじゃないですかね

 

津田肇監督の大学生時代に迫る

――津田監督は慶應義塾大学に在学していた時から、今のお仕事に関わっていたとお聞きしたのですが、学生時代にそのことを経験してよかったこと、苦労したことを教えてください。

津田監督:僕は、特殊なのかわかりませんが、学生時代から今まですっとやってることが変わらないです。
高校の時に文化祭実行委員をやって、その時にイベントという、いわゆる美術がステージを作って、音響とか照明とか、あとバックのビジョンとか背負って、そこにどういう映像流すかや、視界の台本を書いたり、OPの曲とかムービーをどういうのにしようかとか、そういうのを1年間かけて作りました。

僕の高校時代、みんなが部活をしている時に僕はそっちに熱狂してたということで、ガールズアワードは大きくなっただけって感じです。
本当にやってることは変わらないと今も思ってます。あと大学の時に62分の映画を撮りましたが、それと『Daughters』が大きく違うところとかはないです。だから、それが単純に続いているだけです。

あと僕は、AGESTOCKのフリーペーパー、創刊号のデザインをしました。それもデザインも好きなので、llustratorとかPhotoshopとかいじってて。その時大学4年で、AGESTOCKの初代代表である光井に「創刊号を出すとき、クオリティ高い物を作りたいから全ページ津田に任せたい」とお願いされて制作しました。
その時に、初めて自のやっていたポスタのデザインと、文章が入った雑誌のデザインというものの違いにぶち当たって。いろんな雑誌を見て余白の開け方や、行間の使い方とかを研究しました。だから、僕はたぶん就職して生活が変わったというわけではないレアケースなので、とにかく自分が好きなことしかやりたくないっていう人生でした。そのなかでやれなかったことも、苦労したこともありましたが、今に至る感じです。

――つまり、自分が好きだなとか、やりたいと思ったことは挑戦するべき?

津田監督僕は「ただ好きなことしかやりたくない、好きなことでどうやったらお金を稼げるか」ということをずっと考えてきた人生なんです。
これが別にいいことか、悪いことなのか、それはわからないため、あくまでもひとつのモデルケースとして聞いてもらえればと思います。もちろん、サッカーが好きだからサッカー選手になるのかって言ったら違うと思います。そこは自分の素質みたいなものも見極めながらやっていくしかないのかなとも思います。

――人生の先輩として社会を見ているからこその質問なのですが、大学生という限られた四年間、大学生はこの時間をどう使うべきとお考えですか?

津田監督:これは、本当に難しいですよね。
1年生だと聞きたいことかなと思いますが、その時は、わからないです。僕も、慶應の商学部出身ですが、なるべく出なくてもいいような授業ばかり取っていたため授業にあんまり出席をしなかったです。
高校の時に商学部に行くと決めた時に、そんな成績もよくなく、文学部だと就活に不利だ、みたいなうわさがまことしやかにささやかれていて。今、考えればそんなことはないじゃんっていう感じですが、まず慶應だからっていうのもありました。

結局こういう仕事に就くんだったら文学部に進めばよかったと考えていましたが、商学部に実際進学しても授業には出ずに大学外でイベント、映画を作ったり、デザインをやったりしていました。

でも、今思えば大学時代の長時間があった時に文学部の授業に潜り込んで哲学について知ればよかったなとか、世界史や英語に学べばよかったといったとりあえず、勉強しとけばよかったなすごく思います。
でも当時、僕が勉強してイベントとかをやっていなかったらそれはどうなっていたかというのはわからないです。

本当は何をしておけば1番よかったのか。

津田監督にとっての熱意とは?

――弊団体は「学生の熱意は、限りない可能性を持つことを証明する。」というビジョンでこれを世間に証明するために活動しております。津田監督が考える「熱意」とは何かを教えてください。

津田監督自分が見たいものを作る。どれだけ自分が見たいもの、頭に思い描いてるビジョンを形にできるかにずっと熱を注いできたんじゃないかと思っています。

――熱意をもって学生生活に打ち込んでいる学生にメッセージをお願いします。

津田監督:どこかで熱意を持っていたら、人生が楽しいと思います。熱意を持って何かやるのはやめても、人生を投げ出すのは悲しいことなんじゃないかなと思うので、熱意を絶やさないように続けてほしいと思います。

 

プロフィール

 

津田肇

1985年生まれ。
幼少期を香港・シンガポールで過ごす。
慶應義塾大学在学中より、映像作品やイベントの制作を手掛ける。
大学卒業後イベント制作会社を経て、2015年にCHAMELEONS INC.(カメレオンズインク)を設立。
「Chloe」「NIKE」「MICHAEL KORS」「BOBBI BROWN」「UGG」など、世界的ファッションブランドのコレクションや、レセプションパーティーの演出制作を手掛ける気鋭のイベントクリエイター。2010年より国内最大級のファッションイベン「GirlsAward」の演出や、2019年に開催された世界最大級の美容フェス「Beautycon Tokyo」の空間演出/アートディレクションなども手がけている。
2020年9月18日からは初の長編映画監督作『Daughters』(ドーターズ)が劇場公開。
これまでのファッションイベント演出のキャリアを生かした、独創的で美しい映像美が評価を受けており、第23回上海国際映画祭では「アジア新人賞部門」に日本作品で唯一選出。「最も美しい映像!」と称賛された。

出典:映画『Daughters』三吉彩花・阿部純子主演

Instagramはこちら
Facebookはこちら